2024年5月29~31日開催のワイヤレスジャパンにて撮影されたこちらの動画インタビューでヘッドアコースティクスジャパン社長 今村健が同社のダミーヘッドの頭部が回転する理由とそれが通話音声品質テストにとり何故必要なのかを説明しました。
「こちらは通話音声品質テストに用いるバイノーラルダミーヘッドです。従来のダミーヘッドと異なり、テストの最中に頭部が音を出さずに回転します。
何故、頭部を回転させるのか。
それは、実際の(ハンズフリー)通話では話し手や聞き手は常に前を向いているわけではなくて、首を動かしながら会話をするからです。回転するダミーヘッドは実際の使われ方を反映し、よりリアルで正しいテストができるというメリットがあります。
正しいテストを行うにはユーザーの実際の使用条件を考慮する必要があります。例えば、クルマの中で同乗者同士の会話を肉声ではなく、カーオーディオシステムのマイクとスピーカーを介して快適にする機能が最近搭載されるようになってきています。この音声品質をテストする為の国際標準規格にダミーヘッドの首の回転を考慮したテストを織り込む検討がなされます。
この新製品のダミーヘッドmove°S はまだ発売されたばかりですが、「ヘッドトラッキング」のテストで活躍が期待されます。
ヘッドトラッキングとは何か。
最近ヘッドトラッキングをフィーチャーした立体音響の音楽サービスがトレンドですが、リスナーが首を動かしたときにステージの音場まで一緒についてきてしまうのではなく、ステージの音場は元の位置に留まっていなければなりません。
また、IVASという新しい多チャンネルのコーデックにより、モバイルフォンで誰かから旅先での情景、例えば「滝」の情景が立体音響で送られてきたとき、ヘッドセットを被った私が、頭の向きを変えても「滝」は同じ位置に留まっていないといけなくて、私の首の動きに一緒についてきてはいけないわけです。このヘッドトラッキングと呼ばれるフィーチャーの性能テストに、当製品が活躍することを期待しています。」